
「命を守る訓練」と題された地元中学校の防災授業に、今回は講師として参加しました。
担当は3年生。ハイゼックス炊飯袋を使った炊飯と、体育館での避難所設営・運営の訓練です。
はじめての炊飯、楽しみながら挑戦
ハイゼックス炊飯は初めての生徒がほとんどでした。
ハイゼックス袋とは、非常時に使われる耐熱性のあるナイロン製の袋で、お米と水を入れてそのまま湯せんすることで、ご飯を炊くことができる防災用アイテムです。
鍋や電気が使えない状況でも、衛生的に炊飯できるのが特徴です。
ホームセンターやネット通販でも購入出来るので、興味のある方は是非
ご覧になってくださいね。
生徒たちは、講師の説明をよく聞き、みんなで声を掛け合いながら準備を進めていました。
お米と水を袋に入れて湯せんするだけのシンプルな方法ですが、実際にやってみるとコツが必要です。
「これで本当にご飯が炊けるの?」と半信半疑だった表情が、次第に真剣なまなざしに変わっていきました。
炊きあがるまでの時間も、学びの時間
ハイゼックスでご飯が炊きあがるまでの間、体育館では避難所の設営が
始まりました。
6つの班に分かれ、それぞれの役割を担当します。
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本部班
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受付班
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設営班(2班)
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トイレ班
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炊き出し班
本部班は、避難者の配置を考えながら区割りを行っていました。
「授乳中のママさんは出入口近く」「高齢者はトイレのそばに」と、配慮のあるレイアウトを検討。
ホワイトボードには『困ったことがあれば何でも言ってくださいね』という言葉が書かれており、その優しい一言に心が温まりました。
受付班は、地域の方々を実際に迎え入れ、家族構成や年齢などをもとに案内を担当。慣れないながらも一生懸命な対応に、地域の方々からも笑顔がこぼれていました。
設営班は、テントや段ボールベッドの組み立てに挑戦。説明書を見ながら、わずか5〜10分で8台の段ボールベッドを完成させるほどの手際の良さ。中学生の柔軟な発想とチームワークに驚かされました。
トイレ班は簡易トイレとパーテーションを設置。仕切りや目隠しの位置を自分たちで考え、男女別に整える姿が印象的でした。
炊きあがったのは“サツマイモご飯”
炊きあがった、秋らしい「サツマイモご飯」を、炊き出し班が皆に配布しました。
学校で育てたサツマイモを使い、ハイゼックス袋にお米と水と芋だけのシンプルな炊飯。
袋を開けると、ふわっと広がる甘い香りに「おいしそう!」と歓声が上がりました。
先生たちも「想像以上においしい!」と驚くほどの出来栄えでした。
下級生へとつながる学び
昼休みには、1・2年生が避難所を見学。
段ボールベッドに寝転んだり、テントの中に入ってみたりと、楽しみながら体験していました。
先輩たちの姿を見て、「自分たちもやってみたい」と感じた子も多かったようです。
訓練の最後は全員で片付け。3年生たちは息を合わせ、テキパキと撤収を完了。
その姿から、日頃の積み重ねと成長を感じました。
次の世代へ、受け継がれる防災の心
講師として初めて参加して感じたのは、3年生全員の意識の高さでした。
この学校では毎年、防災訓練を継続的に行っており、1年生の頃から学び続けてきた経験が、自然と“自分から動く力”につながっているのだと思います。
残念ながら、この中学校は今年度で閉校を迎え、来年度からは近隣5校が統合されて新しい中学校が誕生します。
けれど、ここで育まれた防災の心は、きっと次の学校や地域へと受け継がれていくでしょう。
中学生たちのまっすぐな姿に、未来への希望を感じた一日でした。

💬 あとがき
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
中学生たちの真剣な姿を見て、「私も地域の防災に関わってみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
もしこの記事が少しでも心に残ったら、ぜひ「スキ💛」や「フォロー」、「コメント」で応援してください。
あなたの声が、次の防災の輪を広げる力になります。

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